金箔を食べられるのはなぜ?意外な理由や食品と金属成分にまつわる豆知識


料理を彩る豪華なトッピング「金箔」。

文字通り金でできていますが、なぜ食べられるのでしょうか。

金箔は本当に食べても大丈夫なのか、その理由も深堀りしていきます。

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金箔を食べても良い理由はズバリ…!

What(何が)
 金は

How(どのように)
 胃酸で消化されず

Why(なぜ)
 体内に吸収されないまま排出されるため

健康に影響がない、安全な成分と認められています。

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金箔の金は無害。人体で消化・吸収されない食品添加物


金箔の金は、食べても消化・吸収されずにそのまま排出されます。

そのため人体には無害で、食品への使用が認められているのです。

厚生労働省による既存食品添加物には、着色料製造用剤として記載されています。

金ってどんな成分?

酸やアルカリに反応せず、安定してその性質を維持できる金。

耐腐性に優れ、長期にわたって錆などの劣化が起こりにくい金属です。

さらに見た目もきらびやかで、変わらない魅力で人々を引きつけています。

貨幣や宝飾品、工芸品など幅広く使用されるほか、金そのものを資産運用の一環として扱うことも。

加工しやすい金属としても有名で、金箔のような極薄い形状にも仕上げることができます。

食用金箔の成分や製造工程


食用に用いられる金箔には、金以外に銀や銅、でんぷんなどが使用されます。

これらの材料を混ぜて金塊を作り、それを繰り返し打ち伸ばしていくのです。

最終的には、0.0001mmもの薄さに。

一枚の箔として商品に、或いはフレーク状に細かく切られるほか、星やハートの形に加工されたりもします。

金箔の成分は製品によって様々です。

金と銀のみで作られるものもあれば、ほとんどがでんぷんのものもあるため、購入前に確認しておきましょう。

金箔は食べても安全

食用の金箔は、適量の摂取であれば人体に無害とされています。

金は胃酸で溶けないので、吸収されずにそのまま排出されるのです。

食べても安全と言われるのもこのため。

消化・吸収されないので、毒にも栄養にもなりません。

あくまで見た目を良くしたり、気分を盛り上げるための演出なのですね。

金箔に含まれる銀や銅は大丈夫?


銀も金同様に、食品添加物として認められる安全な成分です。

経口摂取しても消化されず、そのまま体外に排出されます。

銅は人体に存在する、血液生成の過程で必須の栄養素。

極端に過剰摂取しなければ、悪影響を及ぼすことはありません。

銀や銅は食器や調理器具にも使われ、それらの使用によってもわずかながら摂取しています。

金箔を使ったアイテム色々

金箔は具体的にどのような場面で使われるのでしょうか。

主な活用例を見ていきましょう。

・ 料理を華やかにするトッピング

食用金箔の代表的な活用方法といえば、料理へのトッピングですね。

最後に飾れば、少量でも圧倒的な存在感

ソフトクリームやチョコレート、お酒などにも使われています。

食べる人の気持ちを華やかにするほか、SNS映えも抜群の活用法です。

・ 食器のデザインアレンジに

金箔はお皿や箸、カップなどのデザインにも用いられます。

綺麗に貼られたものから、金箔の素材感を生かして散りばめたものまで、アレンジ様々。

その豪華さから、ギフト向けの商品も豊富です。

・小物や美容アイテムにも


金箔を配合した美容コスメ、ネイルアート向けのデコレーションもあります。

インテリア小物からボールペンまで、幅広いジャンルに活用される金箔。

金自体は高価で非日常なものと思われがちですが、意外と身近なアイテムにも使われているのです。

食用金箔「金きらら」に含まれる成分~金箔の販売店【金箔屋さくだ】では使いやすい業務用も通販で取り扱い中~ | 食用金箔を購入するなら(参照2020.4.6)
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団(参照2020.4.6)
食用金箔は何から出来ている? – 和雑貨・工芸品・オーダーメイド|和雑貨の環(参照2020.4.6)
金箔製造工程 | 金沢箔について | 箔一 HAKUICHI,.Inc(参照2020.4.6)
金箔入りの日本酒はおいしいのか? – SAKEURU BY STOCK LAB(参照2020.4.6)
アラザンの銀の成分について | たべるご(参照2020.4.6)
そもそも金の持っている特徴や用途とは?|貴金属買取の豆知識|貴金属買取のK.G.B.神戸ゴールドバンク(参照2020.4.6)

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人体と金属の関係|知っておきたい「ミネラル」の話


様々な金属成分、実は私たちの健康にも深く関わる存在です。

「ミネラル」に分類される、様々な金属の働きを知っておきましょう。

体に必要な金属“必須ミネラル”

体に必要な金属と言われても、なんとなく違和感がありますよね。

金属を「ミネラル」と言い換えると、しっくりくるのではないでしょうか。

ミネラルとは、生体を構成する4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものを指します。

体内で合成できない成分であり、食品からの摂取が欠かせません。

ここではミネラルの中でも、健康に深く関わる“必須ミネラル”の種類や役割を一部紹介します。

・銅

上述の通り、金箔に使用されることもある成分です。

銅は赤血球の生成をサポートするため、不足すると貧血の要因になります。

極端な偏食などが続かない限り、日常生活における銅欠乏の心配はありません。

摂りすぎも良くないので、サプリメント活用時は適量を遵守しましょう。

・ 鉄


赤血球中のヘモグロビンに必要な鉄。

ヘモグロビンは血中に酸素を取り込み、全身に運搬する役目を持ちます。

鉄の不足は貧血の主要因とも言われ、特に女性は欠乏に注意が必要です。

・ 亜鉛

亜鉛はタンパク質合成や免疫力維持など、多くの働きを持っています。

不足すると傷の治りが遅くなったり、味覚障害を起こす恐れが。

牡蠣や肉類など、亜鉛を多く含む食品をバランスよく取り入れてください。

摂りすぎを避けるべき金属“有害ミネラル”


過剰摂取や、体内への蓄積を避けたい金属もあります。

有害ミネラル”と呼ばれ、鉱工業の繁栄とともに増えたと考えられる成分です。

少量であれば排出される有害ミネラルも、その量が増えれば体調不良の元に。

どのような成分に気をつければ良いのか、代表的な有害ミネラルをまとめています。

・ カドミウム

自然の鉱物や土壌に存在する有害ミネラルで、農畜水産物に蓄積します。

高濃度カドミウムの長期摂取は、イタイイタイ病のリスクを高めることに。

カドミウムは食品衛生法により基準値が設定されており、極端な偏食や過剰喫煙を避ければ、すぐさま健康被害に繋がる恐れは低いです。

気をつける食品をあげるとすれば、タコやイカ、カニなどの内臓にカドミウム濃度の高いものが確認されています。

・ 水銀


水俣病の要因とされる水銀、中でもメチル水銀は中枢神経への悪影響が懸念されます。

国による暫定的規制値が設定されていますが、マグロ類など特定の水産物には適用されません。

マグロ類やクジラ類などの水産物は、比較的水銀濃度が高い食材。

極端に偏って摂取し続けない限り、即座に健康を害する心配はありません。

胎児に影響を及ぼすリスクがあるため、妊娠中の大量摂取は避けてください。

・ アルミニウム

お菓子に使われるベーキングパウダーのほか、着色料などにも含まれるアルミニウム。

ジュースを入れるアルミ缶、食品を包むアルミホイルの原料でもあります。

ラットによる実験では、過剰摂取による腎臓機能、膀胱機能の低下などが確認されました。

菓子パンや焼き菓子など、つい食べ過ぎてしまう食品に注意が必要です。

大切なのはバランス


どのような成分も、適量であれば健康に役立つ一方、過不足が起こると不調につながります。

有害成分を避けることは大切ですが、長期間にわたる偏食や極端な食事制限をしないことも、同じくらい重要なのです。

ビタミンやミネラルなどの栄養素は、互いに助け合って働くため、どれか1つさえあれば良いというものはありません。

バランスの良い食生活は、有害成分の蓄積を抑え、必須栄養素の不足を防ぐ基本的な対策なのです。

森田茂(1987)「金属と生体」(参照2020.4.6)PDF
内閣府 食品安全委員会事務局「重金属とは?そのリスクは?」(参照2020.4.6)PDF
銅 | ミネラル(無機質) | 栄養成分百科 | グリコ(参照2020.4.6)
有害金属とミネラル(参照2020.4.6)
それぞれのミネラルの特徴と働きは? – よくある質問 – 財団法人日本食肉消費総合センター(参照2020.4.6)
糸川嘉則(2004)「代替医療としての「ビタミン・ミネラル」」(参照2020.4.6)PDF
鉄と鉄欠乏性貧血|すこやかネット|NIPRO-ニプロ株式会社- 「その技術は、人のために。」 (参照2020.4.6)
浅見輝男(2003)「有害金属による環境汚染と人体被害」(参照2020.4.6)PDF
厚生労働省:「食品に含まれるカドミウム」に関するQ&A(参照2020.4.6)
魚介類・鯨類の水銀についてのQ&A(参照2020.4.6)
(社)鹿児島県薬剤師会 試験センター 食品検査課(2007)「おいしい時間」(参照2020.4.6)PDF
環境省(2008)「日本における水銀の規制等の状況」(参照2020.4.6)PDF
アルミニウムに関する情報 |厚生労働省(参照2020.4.6)

金は体内で消化・吸収されない!金属成分の理解を深めて好バランスの食事を


金属である金箔が食べられるのは、摂取しても人体に影響を与えないため。

消化や吸収はなされず、そのまま体外に排出されます。

特別な栄養があるわけではなく、見た目や気分を盛り上げるための演出なのです。

金のように無害な金属もあれば、必須ミネラルや有害ミネラルのように、過不足に注意すべき金属成分もあることを知っておきましょう。

出典
asahi.com: 金箔は食べても大丈夫? – ののちゃんのDO科学(参照2020.4.6)
食品用金箔・薬品用金箔について | よくあるご質問 | 堀金箔粉株式会社(参照2020.4.6)