夏に花火大会が多い理由は?花火大会本来の意味、打ち上げ花火の豆知識も


日本の夏に欠かせないイベント「花火大会」。

なぜ夏場に多く開催されるのか、その理由をご存知ですか?

花火大会の起源を辿ると、夏に開かれる根拠が見えてきました。

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花火大会が夏に多い理由はズバリ…!

Who(誰が)
 徳川吉宗が

When(いつ)
 享保17年に起きた

What(何の)
 流行病や飢饉による

Why(なぜ)
 死者を弔うために

How(どのように)
 お盆の時期に花火を打ち上げたことから

夏場に花火大会が定着したと考えられます。

花火大会の起源は慰霊行事。お盆の時期だったため夏開催が定例化


花火大会が夏に多いのは、お盆の時期にあわせて行われた鎮魂・慰霊行事が起源であるためです。

当時の将軍徳川吉宗が、疫病や飢饉による多くの死者を弔うためにと、川開きの時期に花火を打ち上げたのが始まり。

納涼との相性も良かったためか、夏場の花火大会は日本の風物詩になっていきました。

花火の歴史や起源:日本には鉄砲とともに伝播

花火に使用される黒色火薬、その発祥は中国という説があります。

狼煙や爆竹、軍用製品などに利用され、のちに欧州へ広く浸透。

イタリアやドイツ、スペインなどの各地で、花火の技術が発達していきました。

日本にもたらされたのは戦国時代で、種子島にて発見された鉄砲とともに伝来。

観賞用の花火を見た日本人には、伊達政宗や徳川家康の名が残っています。

花火大会は慰霊と悪霊退散のための行事


打ち上げ花火が盛んになったのは江戸時代からですが、きっかけは慰霊悪霊退散を目的とした水神祭です。

これは享保17年、コレラの流行と大飢饉により多数の死者が出たことをうけ、徳川吉宗が翌年に行った祭事。

死者を弔うとともに、疫病の根源だと考えられていた悪霊のお祓いを祈願し、5月から8月にかけて盛大に花火が打ち上げられました。

場所は両国橋付近、現在の隅田川沿いで行われ、このあとも両国川開きにあわせて開催されるようになるのです。

これは、隅田川花火大会の起源ともされています。

お盆の影響もあり鎮魂行事の夏開催が定着?

花火大会の起源となった水神祭には、死者の鎮魂を願う意味が込められていました。

開催時期は、ちょうどお盆のタイミングにも重なります。

お盆は先祖の魂が現世に帰ると言われ、花火大会本来の趣旨とも親和性が高い行事です。

こうした日本文化も手伝って、夏=お盆(慰霊・鎮魂)=花火大会という構図が定着。

夏に打ち上げ花火を見る機会が多くなった、その背景になっていると推測されます。

・納涼の意味でも夏+花火の相性が良かった?

花火が流行した江戸時代ですが、火災が増加する問題もありました。

このことから、花火を行って良い場所が大川端(現在の隅田川下流)に限定されるようになります。

川のそばで涼みながらの花火鑑賞は、蒸し暑い日本の夏だからこそ、より支持された。

納涼との相性が良かった点も、夏に花火大会が続いた理由かもしれません。

「たまや」「かぎや」って?


打ち上げ花火の鑑賞時に聞く「たまや〜」「かぎや〜」のかけ声。

江戸時代の両国で行われた花火大会にて、花火を打ち上げていた業者の名前です。

先に登場したのは「鍵屋(かぎや)」。

上述の水神祭のおりに活躍した花火業者です。

のちに鍵屋からのれん分けして生まれたのが「玉屋(たまや)」だとされます。

2つの業者は二大花火師として両国川開きをわかせ、彼らに声援をおくった民衆のかけ声が「たまや〜」「かぎや〜」だったのです。

天保14年、玉屋は花火製造中に大火事をおこし、その影響で廃業。

鍵屋は現在15代続く老舗であり、花火業界を代表する存在となっています。

花火の歴史(参照2021.5.7)
江戸の歳時記|8月 江戸の花火 | Noren(参照2021.5.7)
花火文化と鍵屋弥兵衛/五條市(参照2021.5.7)
鍵屋の歴史|宗家花火鍵屋(参照2021.5.7)
「たまや~」花火の掛け声が「鍵屋」より「玉屋」なのはナゼ? [暮らしの歳時記] All About(参照2021.5.7)
真夏の風物詩、花火。その歴史と意味を見直してみよう | 住まいの本当と今を伝える情報サイト【LIFULL HOME’S PRESS】(参照2021.5.7)

打ち上げ花火をもっと楽しむための豆知識

ただ見るだけでも綺麗な打ち上げ花火ですが、知識があればより楽しい。

打ち上げ花火の種類や、一風変わった花火大会について解説します。

花火は「割物」と「ポカ物」が代表的

花火の種類を大別すると、「割物」と「ポカ物」に分けられます。

割物の特徴は、破裂した時に星が球型に飛び散る点。

星とは花火玉に詰められる、小さな火薬玉のことです。

名前の由来どおり、空中でポカッと割れるのがポカ物。

中の星が垂れ落ちたり、ランダムな軌道を描くのがポカ物の持ち味でしょう。

・派生系の「小割物」や「型物」

割物式の花火玉を小さく作り、それを大きな花火玉の中に複数詰めたものが「小割物」です。

破裂した時、小さな花火がいくつも開くのがそれ。

型物」は、ハートや動物など固有の形に打ち上がる花火のこと。

開いた時に、いかにその形通りに見えるかがポイントとなります。

どんな花火がある?割物とポカ物の一例


打ち上げ花火の種類をより具体的に紹介しましょう。

炸裂した時の形、見た目からその名がつけられることが多い様です。

・菊(割物)

割物に分類される「菊」、日本の打ち上げ花火を代表するものの1つです。

菊が開花したように、光が放射状に線を引いて伸びるのが最大の特徴。

夏を感じる和製花火の王道ですね。

・柳(ポカ物)


花火玉が割れたあと、そこから光が垂れ下がるように落ちてくる「柳」。

枝垂れ柳の枝を模したような、風情溢れる打ち上げ花火です。

・牡丹(割物)

炸裂した時に光の尾を引かず、点で球体を描くのが「牡丹」です。

弾けるような美しさと、鮮やかに光るのが魅力の割物となります。

・飛遊星(ポカ物)

「飛遊星」の特徴は、空中でいくつもの星が見せる不規則な動き

予想のつかない光の挙動は、どこか神秘性も感じられます。

花火師の腕の見せ所!『競技大会』を見てみよう


花火師たちが腕を競い合う「花火競技大会」があるのをご存知でしょうか。

秋田県仙台市の“全国花火競技大会”、茨城県土浦市の“土浦全国花火競技大会”などが有名です。

一般的な花火大会との大きな違いは、一定のルールのもとに作られた花火を、業者ごとに比較しつつ見られる点。

同じルールで作られた花火でも、花火師ごとの個性や色があります。

その差を比べながら楽しめるので、花火好きにとってはたまらないイベントと言えるでしょう。

芸術性や技術点など、審査員目線で考察するのも一興ですね。

競うから磨かれる!「日本三大競技花火大会」が魅せる花火の芸術|ウォーカープラス(参照2021.5.7)
花火特集 その4「種類と中身を知る」 – 【公式】新潟発!内容充実こだわり旅のハミングツアー(参照2021.5.7)
「打ち上げ花火」の豆知識 種類や楽しみ方|ベネッセ教育情報サイト(参照2021.5.7)
株式会社ライズ » 花火の種類(参照2021.5.7)
日本の伝統的な花火の種類 | ワゴコロ(参照2021.5.7)
楽しみ方|土浦全国花火競技大会(参照2021.5.7)

花火大会はお盆の時期の慰霊行事であるため夏場に多いと考えられる


夏に花火大会が多い理由、それは花火大会の起源が慰霊行事であるためです。

同趣旨の催しであるお盆の時期と重なることや、納涼との相性が良かったことなどから、夏場の開催が定着して行ったのでしょう。

現在では競技大会も開催されるなど、技術・芸術面での進化が目覚ましい打ち上げ花火。

職人魂が込められた美しい花火を想像するだけで、夏が待ち遠しくなりますね。

出典
広瀬由衣(2014)「打ち上げ花火の魅力と花火大会の存続」PDF(参照2021.5.7)
吉田,丁,大木,檜垣(2005)「花火の歴史と科学技術」PDF(参照2021.5.7)
花火入門 R02年版(参照2021.5.7)