土用の丑の日は鰻を食べる日、そう思っていませんか?
本来は、鰻とは全く関係のない日なのです。
元々の意味や、なぜ鰻と関連付いたのかも知っておきましょう。
土用の丑の日とはズバリ…!
Who(誰が)
平賀源内が
Why(なぜ)
鰻屋から相談を受けて
How(どのように)
「土用の丑の日は鰻の日」と宣伝したことで
When(いつ)
夏の土用にくる丑の日には
鰻を食べる習慣が広まりました。
雑節の一部である土用の中の丑の日を指す
土用のうちの「丑」に当たる日のことを土用の丑の日と言います。
鰻を食べる日、という意味ではなく、土用という雑節の一部です。
雑節とは季節の移り変わりを示す目安のこと。
彼岸や節分なども雑節に該当します。
そもそも“土用”って?
曜日の土曜ではなく、季節の変化をあらわす土用。
立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間を指します。
土用は五行説を元に作られました。
春夏秋冬は木火金水に対応、残る土を四季の前の18日間に当てて土用となったのです。
土用と十二支の丑
土用の丑の日の“丑”とは、十二支の丑のこと。
昔から十二支は暦を数えるときに用いられてきました。
土用の期間の中でも、丑に当たる日が土用の丑の日なのです。
夏だけでなく、立春、立秋、立冬にも丑の日は存在します。
18日の間に丑の日が2回ある場合は、一の丑、二の丑と区別して呼ぶのです。
十二支・十干|天文・暦情報|海上保安庁海洋情報部(参照2019.4.12)
土用の丑の日に鰻を食べるようになった理由は?
最も有名な説は、平賀源内という人物が発案した鰻の広告です。
夏の売り上げ不振に悩んでいた鰻屋に、「今日は土用の丑の日」という趣旨の看板を立てる様アドバイスしました。
これが見事に当たって商売繁盛に至り、多くの鰻屋が真似するように。
土用の丑の日に鰻を食べる習慣が根付いた理由の1つと言われています。
・鰻の栄養や食べ方について
鰻には豊富なビタミン類のほか、たんぱく質、亜鉛、オメガ3脂肪酸などが含まれています。
疲労回復やエネルギー補給に適した食材と言え、夏場の滋養強壮を目的に食べたという説も。
鰻と言えば蒲焼が定番ですが、関東では背を開いて蒸してから焼く、関西は腹を開いてそのまま焼きあげる調理法が主流です。
地域による製法の違いも楽しみながら食べてみてはいかがでしょうか。
2019年の土用の丑の日はいつ?2025年までの丑の日早見表
2019年の土用の丑の日をチェックしましょう。
土用の入りと明け、丑の日を2025年分まで掲載しています。
記念すべき令和元年の丑の日もお忘れなく!
冬土用:2019年1月17日〜2月3日 丑の日:1月28日(月)
2020年1月18日〜2月3日 丑の日:1月23日(木)
2021年1月17日〜2月3日 丑の日:1月17日(日) 1月29日(金)
2022年1月17日〜2月3日 丑の日:1月24日(月)
2023年1月17日〜2月3日 丑の日:1月19日(木) 1月31日(火)
2024年1月18日〜2月3日 丑の日:1月26日(金)
2025年1月17日〜2月2日 丑の日:1月20日(金) 2月1日(土)
春土用:2019年4月17日〜5月5日 丑の日:4月22日(月) 5月4日(土)
2020年4月16日〜5月4日 丑の日:4月16日(木) 4月28日(火)
2021年4月17日〜5月4日 丑の日:4月23日(金)
2022年4月17日〜5月4日 丑の日:4月18日(月) 4月30日(土)
2023年4月17日〜5月5日 丑の日:4月25日(火)
2024年4月16日〜5月4日 丑の日:4月19日(金)
2025年4月17日〜5月4日 丑の日:4月26日(土)
夏土用:2019年7月20日〜8月7日 丑の日:7月27日(土)
2020年7月19日〜8月6日 丑の日:7月21日(火) 8月2日(月)
2021年7月19日〜8月6日 丑の日:7月28日(水)
2022年7月20日〜8月6日 丑の日:7月23日(月) 8月6日(土)
2023年7月20日〜8月7日 丑の日:7月30日(日)
2024年7月19日〜8月6日 丑の日:7月24日(水) 8月5日(月)
2025年7月19日〜8月6日 丑の日:7月19日(土) 7月31日(木)
秋土用:2019年10月21日〜11月7日 丑の日:10月31日(木)
2020年10月20日〜11月6日 丑の日:10月25日(日) 11月6日(金)
2021年10月20日〜11月6日 丑の日:10月20日(水) 11月1日(月)
2022年10月20日〜11月6日 丑の日:10月27日(木)
2023年10月21日〜11月7日 丑の日:10月22日(日) 11月3日(金)
2024年10月20日〜11月6日 丑の日:10月28日(月)
2025年10月20日〜11月6日 丑の日:10月23日(木) 11月4日(火)
土用(どよう)とは – コトバンク(参照2019.4.12)
こよみの学校 第107回『土用の丑の日-今年は2度もある!』|暦生活(参照2019.4.12)
2019年の年間カレンダーうなぎのたなか(参照2019.4.12)
うなぎのかば焼きは関東と関西でこんなに違う!それぞれの調理法を解説 | 食の知識 | オリーブオイルをひとまわし(参照2019.4.12)
土用にまつわるトリビア!鰻以外の食べ物や生活の習慣
土用に関連するものは鰻だけではありません。
意外と多い土用にまつわる習慣を紹介しましょう。
土用に禁忌とされた土いじり
五行のうち土を司る土用には、土を動かす事柄はタブー視されました。
農作業や建築関係、埋葬なども土をいじるものとして禁忌に。
土用は季節の変わり目でもあり、体調を崩しやすい時期です。
この期間に無理をしないための習わしでもあったかもしれません。
うのつくものを食べる?
地域によっては、丑の日に関連付けて“う”のつく物を食べる習慣も。
梅干し、瓜、うどん、牛の肉など、夏の疲労回復やスタミナ維持をサポートするメニューが好まれています。
鰻がうのつく食べ物であることも、普及につながった一因かもしれませんね。
体を元気にする様々な土用食
鰻やうのつく物以外にも、土用の習慣になっている食べ物があります。
土用卵、土用しじみ、土用餅などがその代表です。
・ 土用卵
土用に産み落とされた卵が土用卵。
栄養価が高い卵を食べることで、夏バテを防ぐための英気を養ったのでしょう。
・ 土用しじみ
「土用しじみは腹の薬」という言い伝えから、土用にしじみを食べる風習も残っています。
しじみに含まれる豊富なアミノ酸は肝臓の働きを助け、二日酔い対策にもおすすめです。
・ 土用餅
土用に食べるあんころ餅のことを土用餅と呼びました。
餅=力持ちを連想することや、無病息災を願う食べ物として土用に好まれたと言います。
土用の虫干しや丑湯の慣習
夏の土用は梅雨が空ける時期でもあります。
湿気から解放されたタイミングで衣類や書物を干すことを「土用の虫干し」と呼び、古くからの慣習とされました。
「丑湯」は薬草を入れて入るお風呂のこと。
薬草の成分が疲れを癒すほか、健康祈願の意味もあったそう。
いずれも季節に合わせて行う生活の知恵であることが伺えます。
【土用餅】土用の日について | 青木松風庵オンラインショップ(参照2019.4.12)
“土用の丑”の食べ物は“うなぎ”だけ? | 食のマメ知識 | 素材力だし®(参照2019.4.12)
土用|暮らし歳時記(参照2019.4.12)
土用は雑節、丑は十二支の丑!鰻の習慣は平賀源内の広告説が有名
土用の丑の日とは土用の期間に訪れる丑の日のことで、本来は鰻を食べるという意味の日ではありません。
鰻の習慣は後付けされたもので諸説ありますが、平賀源内による鰻屋のキャッチコピー説が有名。
土用には鰻以外の食べ物も親しまれるほか、特別な習わしも存在します。
今年の土用の丑の日は、様々な土用の慣習に思いをはせながら過ごしてはいかがでしょうか。
出典
土用の丑の日2019年はいつ?なぜうなぎを食べる? [暮らしの歳時記] All About(参照2019.4.12)
土用の丑の日2019年はいつ?夏に鰻を食べる意味や由来とは|今年のウナギの日(参照2019.4.12)
「土用の丑の日」とは? なぜ、うなぎを食べるのか ⇒ あの人の広告に騙されている可能性 | ハフポスト(参照2019.4.12)
土用|日本文化いろは事典(参照2019.4.12)