雨が降ると気分が沈む、こんな症状に覚えはありませんか?
人によっては頭痛など体の痛みを伴うケースも。
雨の日が身体に与える影響を知っておきましょう。
雨の日の不調の理由はズバリ…!
When(いつ)
雨の日に
Why(なぜ)
低気圧を感知し、自律神経のバランスが乱れると
What(何に)
心や体に影響を及ぼし
How(どのように)
抑うつ状態の悪化や体の痛みにつながる恐れがあります。
雨の日の体調不良は気圧の変化によるもの
雨の日に気分が落ち込むのは、気圧の変化が体に影響するためです。
雨天時には気圧が低くなります。
低気圧が心身の不調をもたらすことは、様々な研究で明らかになっているのです。
低気圧になると体はどうなる?
ラットを用いた実験では、低気圧中に体の痛みが増幅することが確認されています。
中耳に気圧の感受センサーがあると考えられており、センサーが低気圧を感知すると痛みとなって反応するのです。
人体にも同じ機能が備わっていると想定でき、同様のメカニズムで体調不良が起こるとされます。
低気圧は自律神経を乱すリスクがある
低気圧による体調不良は、自律神経と関係しています。
自律神経とは、体温調節、消化、排泄、血の巡りなどの生命維持機能をコントロールしている器官。
交感神経と副交感神経の2つがあり、双方のバランスがとれていると健康も維持されます。
低気圧を感じると自律神経が反応し、バランスが崩れて痛みや気分の落ち込みを招くのです。
日頃から自律神経の均衡がとれていないと、気象の影響も受けやすくなるでしょう。
・ 交感神経の働き
日中の活動時に優位となる交感神経。
興奮した時や緊張状態で活発に働きます。
交感神経が優位な状態が長く続くと、体が休めず不調につながる危険が。
低気圧によるトラブルも、交感神経の活性化が理由の1つとされます。
・ 副交感神経の働き
リラックス時に優位になる副交感神経は、胃腸の働きや眠りを促す自立神経です。
副交感神経がうまく作動しないと、心身の休息や栄養補給が十分にできません。
雨の日に体調を崩しやすい人は、普段から副交感神経が適度に働いていない可能性があるでしょう。
女性は月経周期との関係にも注意
女性の自律神経は、月経周期とも関わっています。
生理前に起こるホルモンバランスの変動が自律神経を乱しやすく、PMS(月経前症候群)にも影響するのです。
雨の日と月経時期が重なると体がつらい…そう感じている人は、気圧変化に加えてホルモンバランスの関与も疑われます。
自律神経の乱れは生理にも影響があるの? | ピラティスコラム(参照2019.3.21)
どんな症状が出るの?低気圧による体調不良の種類
低気圧が原因で体調に異変が起こる、その症状は人によって様々です。
代表的な症状の一例を解説します。
気分の落ち込み
雨の日の精神的不調は、低気圧により抑うつ状態が出やすくなるのが一因。
気圧が低くなるとうつ状態が悪化することは、動物実験でも判明しています。
自律神経の働きが阻害され、メンタルのバランスが崩れてしまうのでしょう。
体の痛み
梅雨時期には古傷が痛んだり、関節痛が出ることがあります。
低気圧を感知して交感神経が活性化すると、痛みが増幅しやすいのです。
普段から偏頭痛や肩こりを抱えている人は、それが悪化する場合もあります。
めまいや倦怠感
雨天にめまいや倦怠感を感じるのも、低気圧によって交感神経が刺激されるため。
体が緊張状態になり、血圧や心拍数が上昇することで不快症状が起こります。
自律神経の乱れが引き起こす症状とは?(参照2019.3.21)
梅雨が来る前に!自律神経を整えて低気圧に備えよう
低気圧による体調不良を予防するには、自律神経の安定化が欠かせません。
交感神経と副交感神経のバランスを保つ秘訣を解説します。
質の高い睡眠が自律神経を整える
良質な睡眠は、自律神経を整えて心身の健康維持に役立ちます。
睡眠中は副交感神経が優位になり、緊張がほぐれて休息状態に。
逆に交感神経が活発なまま眠りにつくと熟睡できず、疲労やストレスが溜まる要因になるのです。
睡眠前のちょっとした工夫が、より良い眠りのコツになります。
・就寝前は光や音の刺激を避ける
強い光や音を感じると、交感神経が優位になります。
就寝前のテレビやスマホは控え、寝室の電気は暗めに調整しましょう。
・寝具を見直す
高さや固さの合わないマットレス、枕を使っていませんか?
体に合っていない寝具は熟睡を妨げる恐れがあります。
刺激になる素材、衛生状態にも気をつけて下さい。
・食事から睡眠に必要な栄養を補給
快眠ホルモンと呼ばれる“メラトニン”が十分に分泌されると、ぐっすり眠れます。
メラトニンは“セロトニン”という物質により分泌が促されるため、セロトニンを増やす栄養をしっかり補給してください。
乳製品や大豆製品には、セロトニンの元になる成分が豊富。
基本的な栄養バランスを考慮した上で、積極的に取り入れましょう。
お風呂に入ってリラックス
湯船に浸かると、お湯の温度や浮力によってリラックス作用が得られます。
36度〜41度ほどのぬるま湯で体を温めると、副交感神経の活性化に効果的です。
入浴後は就寝時に向けて徐々に体温が低下しますが、これも入眠を促すコツ。
自然な体温の低下は、交感神経から副交感神経にスムーズに切り替わるポイントとなります。
ストレス解消の時間を作る
イライラや不安などのストレスは、過剰に溜まると自律神経に悪影響です。
ストレスを感じると、それに対抗するため“コルチゾール”というホルモンが増加。
これが増えすぎると自律神経のバランスが崩れ、体調不良を引き起こします。
趣味を満喫する、好きな香りや音楽を楽しむなど、ストレス解消の時間を設けましょう。
雨の日だからこそ楽しめる要素を見つける
雨の日には心理的、身体的なストレスを感じやすくなります。
ジメジメして気持ち悪い、衣服が濡れる、通勤や通学が面倒になる。
雨天時に避けて通れないストレスには、様々な工夫で対処しましょう。
「雨の日でも良いこと・楽しいことはある」という意識で、イメージからくる憂鬱感を一掃してください。
・おしゃれなレイングッズで気分を上げよう
傘やコートなどのレイングッズ、最近はコーディネートに取り入れたくなるおしゃれなデザインが豊富です。
雨靴もショートブーツやスニーカータイプなど、見た目にこだわった商品が増えました。
雨天ならではのおしゃれを楽しんで、沈んだ気分を上げましょう。
・屋内での過ごし方にもアイデアを
雨が降ると外出が億劫になりがち。
だからこそ、室内でできる過ごし方を追求しませんか?
部屋の片付けを徹底したり、お気に入りの部屋着でくつろぐ、放置していた本やゲームに没頭するなど、色々な楽しみ方があります。
お部屋でできるあなたなりの過ごし方を発見してください。
自律神経を整えるライフスタイルとはどういうもの?(参照2019.3.21)
自律神経の乱れの原因 症状・疾患ナビ | タケダ健康サイト(参照2019.3.21)
自律神経を整える5つの方法|医師がすすめる「健康の極意」 | MYLOHAS(参照2019.3.21)
雨の日の憂鬱感は低気圧が原因!自律神経を整えて予防しよう
雨の日に気分が沈む、体調不良に陥るのは、低気圧が体に影響を及ぼすのが一因です。
低気圧は自律神経を乱し、体の痛みや抑うつ状態を増幅すると考えられています。
予防や改善のためには、日頃から自律神経を整える生活を送ること。
雨の日を楽しく過ごす工夫も取り入れて、心身のバランスを維持しましょう。
出典
「気象変化と痛み」(2015.佐藤)PDF(参照2019.3.21)
「気圧や気温の変化が痛みに与える影響について」(大森,西上,渡邊,脇,河田)PDF(参照2019.3.21)
「気象病とは何か」(視点・論点) | 視点・論点 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室(参照2019.3.21)
天気の変化で不調を感じる「気象病」 対処法は|ヘルスUP|NIKKEI STYLE(参照2019.3.21)