なぜCAは女性が多い?理由はCAの歴史にあり!守りたい飛行機マナーも


CA(キャビンアテンダント)とは、旅客機内の接客業務などを担う仕事です。

日本では女性の方が多く、男性はあまり見ない、というイメージが強いのでは?

なぜCAといえば女性なのか、その真相に迫りましょう。

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CAに女性が多い理由はズバリ…!

When(いつ)
 戦前、戦後の

What(何が)
 旅客機の客層が

Why(なぜ)
 男性中心だったため

How(どのように)
 若い女性の接客が相応しいとの考えから

女性CAが増加したと推測されます。

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女性CAが多いのは昔の客層が理由?男性客を想定していた可能性


日本のCAに女性が多いのは、かつて旅客機の客層が男性メインだったことが一因と考えられます。

初めて女性CAが登場した1930年台や、機内サービスが復活する戦後の1950年台。

労働の中心が男性で、女性の社会進出が進んでいなかった時代です。

旅客機の客層もビジネスマンが想定され、若い女性による接待が好ましいと思われたのでしょう。

JALでは1953年から男性CAを採用しており、女性しかなれない職業というわけではありません。

CAの歴史:最初の乗務員は男性だった

世界で旅客機が飛び始めた頃、客室乗務員は男性の役割でした。

副操縦士の業務だった飲み物提供や乗客の世話、これらを担うために採用されたのです。

当時の呼び名は、執事などの意味を持つ「スチュワード」。

女性の客室乗務員「スチュワーデス」の語源でもあります。

世界で初めて「スチュワーデス」が誕生


1930年に誕生した世界初の女性客室乗務員が、エレン・チャーチという元看護師です。

その経歴をアピールし、ボーイング・エア・トランスポートの乗務員として採用されました。

彼女と同時に客室乗務員になった女性たちも、元看護師。

有事の際に人命救助能力を発揮できることが、採用の引き金になったと推測されます。

日本初のスチュワーデス「エア・ガール」

エレン・チャーチを始め、8人の女性客室乗務員が誕生したアメリカ。

日本でもその翌年に、国内初の女性客室乗務員が生まれます。

東京航空輸送が採用した3人の女性、当時は「エア・ガール」という名前でした。

エア・ガールの採用試験結果が発表された1931年3月5日にちなんで、同日は「スチュワーデスの日」になっています。

戦争時代を経てCA復活へ


エア・ガールが生まれて程なくし、世界的に戦況が激化。

旅客機の軍用が始まったことで、客室乗務員によるサービスはしばらく姿を消します。

戦後1951年には、JALの設立とともに機内サービスが復活。

同社のスチュワーデス一期生が生まれたのもこの年です。

現在は性差別の問題から「スチュワーデス」という呼び名は廃れ、「キャビンアテンダント(CA)」や「フライトアテンダント」、「客室乗務員」といった呼称が用いられています。

CAが女性中心になった理由

かつて男性の役目だったCA業務は、エレン・チャーチ氏の動きを機に女性の仕事として広まりました。

戦前戦後の旅客機利用者、その中心と考えられるのがビジネスマンです。

エリート男性が主なターゲットであったことから、接客対応には“若くて綺麗な女性を”との考えに至ったのでしょう。

JALのCA制服遍歴にも、その一端が見られます。

高度経済成長期の1960年台後半から1970年台、この頃の制服は、他の代よりもスカートの丈が短いのです。

海外でも同様の傾向が見られるなど、当時は性を強調する職業だった面も否めません。

日本のCA界の変化?男性CAの浸透


長らく女性の職場と思われてきたCA界ですが、JALでは1953年から男性も採用しています。

そもそも女性限定な訳ではなく、当初から男性も働いているのです。

イメージや先入観が「女性の職場」という考えを根付かせてきたのでしょう。

近年は、ANAが初めて男性CAを採用したことも話題に。

CAを目指す男子高校生の漫画「空男(そらだん)」の登場、BLドラマとして人気を博した「おっさんずラブ-in the sky-」の主人公もCAです。

海外では男性がいて当たり前の職場ですが、日本でも少しずつ浸透してきているように思います。

キャビンアテンダントは男性でもなれる? | キャビンアテンダントの仕事・なり方・給料・資格を紹介 | キャリアガーデン(Career Garden)(参照2020.6.26)
「女性の職場」航空会社のCAにも変化? ANAが新卒男性を初採用(参照2020.6.26)
世界で初めてCAになった女性は、ある職業でした。その職業とは?|ANA Travel & Life(参照2020.6.26)
65年目を迎えたJALの“スチュワード”は今──日本の空に増えていく男性CAにも注目! | GQ Japan(参照2020.6.26)
職業に対する差別用語か「スチュワーデス」と呼ばなくなった理由 – ライブドアニュース(参照2020.6.26)
制服の歴史 | JAL’s History | 会社案内・企業理念 | JAL企業サイト(参照2020.6.26)
【今日は何の日?】3月5日は「スチュワーデスの日」「ミスコンの日」|ついラン(参照2020.6.26)
空男ソラダン / 糸川一成 – モーニング公式サイト – モアイ(参照2020.6.26)

乗るなら常識。恥をかかないための旅客機マナー


近年メディアでも取り上げられる、飛行機内のマナー問題。

他の客やCAに迷惑をかけないよう、気をつけたいポイントがこちらです。

スマホも注意!電子機器類の取り扱い

2014年に航空機内での電子機器使用制限が緩和され、スマホを含む一部の利用が可能になりました。

ただし、機内でスマホを使う際は、電波を発しない“機内モード”にするのが原則。

他の電子機器についても、電波を発しない状態にしておく必要があります。

JAL、ANAが提供するWi-Fiサービスを使えば、インターネット通信もOK。

事前に料金や使用方法を確認しておきましょう。

CAへの横柄な態度はNG!冷静さを保つのが鍵


CAと客はあくまでも対等ですから、上から目線で接するのは論外。

特に気持ちに余裕のない時には、一層の注意が必要です。

天候の関係で運航が遅延したり、好みの食事が売り切れたり。

閉鎖空間で長時間のフライト時に不運が重なると、冷静さを欠いてしまうこともあるでしょう。

だからと言って、感情に任せて横柄な態度をとるのはダメ。

読書に集中する、音量に配慮して音楽を聞くなど、自分なりの気持ちの落ち着け方を身につけたいですね。

子供がいるときに心がけたいこと

小さい子供を連れてのフライト、気をつかう親も多いのでは。

仕事で疲れている時に、赤ん坊の鳴き声が止まらないと辛く思う人もいるかもしれません。

子供と一緒に乗る時、あるいは他人の子供の声が気になった時、どのような対応をすれば良いのか考えてみましょう。

・子供と一緒に乗る時

会話ができる年齢なら、事前に機内での過ごし方を話し合っておくのが大切。

公共交通機関に乗る際の基本を教え、万が一機内でマナー違反をしたら落ち着いて注意しましょう。

赤ちゃんはやむを得なく泣き出すこともあります。

その場であやす、おもちゃやミルクで気をひく、席以外であやす場所がないかCAに確認する、などの対策が考えられますね。

赤ちゃんが泣くのは仕方ないと理解できる人が多いと思いますが、親が何もしないのにモヤモヤする、といった意見も。

親として子供の面倒を見るという責任は、最低限果たしましょう。

・子供が周りに乗っている時

明らかに騒ぐ子供を親が放置している場合は、まずCAに相談を。

直接クレームを入れるよりも、穏便に対処してくれるはずです。

上述の通り、赤ちゃんが泣くことは仕方がありません。

頭では理解できても、精神的にキツイことだってありますよね。

ノイズキャンセリング機能付きのイヤホン、ヘッドホンを使うことで、気になる音を少しでも軽減させる効果が期待できます。

泣きやまないから怒鳴る、睨むといった何の解決にもならない行為はやめ、自衛策を取りましょう。

・お互いが思いやりの気持ちを持つ


小さな子連れの親も、そうではない人も、自分中心の考えにならないことが重要です。

子供だから仕方ないでしょという態度をとる、何も悪くない赤ん坊に怒りをぶつける。

お互いを思いやれていない、自分本位の行動と言えます。

飛行機は公共交通機関であり、誰もが平等に利用できる乗り物です。

1人1人の配慮が、全員の快適に繋がるのではないでしょうか。

飛行機内で慎むべき15の行動 | ハフポスト LIFE(参照2020.6.26)
飛行機内でも携帯やスマホが使用可能に!機内で使う時の条件と注意点 | トラベリスト -TRAVELIST- 格安航空券の検索・予約(参照2020.6.26)
飛行機にのるときの8つのマナー | エアトリ – トラベルコラム(参照2020.6.26)
報道発表資料:航空機内における電子機器の使用制限を緩和します – 国土交通省(参照2020.6.26)
日本航空、泣き叫ぶ赤ちゃんに近い席を避ける仕組み導入 トラブル回避が狙いか – BBCニュース(参照2020.6.26)
CAに聞く! 飛行機子連れ旅行術 一家で“いま”を楽しむために | 乗りものニュース(参照2020.6.26)
赤ちゃんの泣き声対策|耳栓やノイズキャンセリングヘッドフォン | ライフハッカー[日本版](参照2020.6.26)

女性CAの多さは男性客中心だった時代の名残?本来は男女共に活躍できる職場


CAに女性が多いのは、かつての顧客層が男性だったのが主な理由と考えられます。

男性の接客には若い女性がふさわしい、当時の価値観からきているものです。

海外では一般的な男性CA、日本でもその存在が認知されるようになりました。

男女関係なく、快適で安全なフライトを提供してくれるCAの存在。

そんな方々に感謝しながら、楽しい空の旅を満喫したいものです。

出典
小島慶子の今週の気になるコト――「日本ではなぜ男性CAが少ないのか?」 (2019年5月8日) – エキサイトニュース(参照2020.6.26)
中村真典(2013)「「サービスポリシー」の策定過程に関する一考察—日本航空株式会社における2007〜2010年度の事例研究を踏まえて—」PDF(参照2020.6.26)
初代スッチーは男性だった! 女性客室乗務員のイメージ変遷に見る、女性の社会的地位の歴史|ウートピ(参照2020.6.26)
男がCAやったっていいじゃないか! | ニューズウィーク日本版編集部 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(参照2020.6.26)
航空会社のCA、日本は女性ばかり 専門家「ここまで男性なしは異常」(参照2020.6.26)