英語では、日本のことを「JAPAN」と表記するのが一般的です。
なぜジャパンとうい呼び方が広まったのでしょうか。
有名なあの説を紐解くと、驚きのトリビアがあることがわかりました。
日本を英語でジャパンと呼ぶ理由はズバリ…!
Who(誰が)
マルコ=ポーロが
What(何が)
著書の「東方見聞録」の中で
Why(なぜ)
日本のことを「ジパング」と表記し
How(どのように)
その名前が徐々に変化して
英語では「ジャパン」と呼ばれるようになりました。
ジャパンの由来はマルコ=ポーロが書いた東方見聞録の中の「ジパング」
日本のことを英語で「ジャパン(JAPAN)」と呼ぶのは、「ジパング」から転じてそうなった、という説が有名です。
ジパングとは、マルコ=ポーロが執筆した「東方見聞録」の中に登場する地名。
当初ジパングは今の日本であるとの見方が多かったのですが、諸説があり異論も唱えられています。
ジャパンの語源は「ジパング」説
ジャパンの元になったジパング、「東方見聞録」の中に登場する地名です。
東方見聞録とは、ヴェネチアの商人「マルコ=ポーロ」がアジア諸国滞在中に伝え聞いた情報を書き記した書物。
実際にジパングを訪れた訳ではなく、当時の中国人から聞いた話を元に書かれています。
この時マルコが聞いた中国語が、ジパングという名の元になった可能性があるのです。
・ “中国語の日本”がジパングの由来?
日本は中国語で「リーベン」または「ジーベン」のように発音されます。
マルコには、この発音が「ジパング」と聞こえた。
そのため東方見聞録にも、ジパングという名称を用いたと考えられるのです。
書物の情報が広がっていく過程で、ジパング→ジャパンへと転じていったのでしょう。
ジパングは今の日本のこと?
ジパングは“黄金の国”と言われるほど、金の豊かな地域だったのだそう。
住人は大量の金を持ち、純金で覆われた宮殿の存在なども記されています。
これらは伝聞により書かれたもので、マルコが実際に見たわけではないようです。
当時の日本が中国への滞在費用として砂金を持参したことや、岩手県の中尊寺金色堂の存在が誇張して伝わったのではないか、と考えられています。
・ 東方見聞録には日本のこととは思い難い記述も
伝聞が大げさに伝わった以外にも、ジパングと日本が結びつかない記述がある東方見聞録。
中には人肉を好んで食していたという、とても日本の習慣とは思えない内容も。
ジパングの位置も実際の日本の位置との乖離があるなど、両者を同一視するには怪しい情報がいくつかあるようです。
ジパングはイスラムの伝説「ワクワク」が元?
マルコ=ポーロが滞在していたエリアに、中国の泉州という地域があります。
ここにはイスラムの貿易基地があり、マルコも現地の人の話を聞く機会があったようです。
イスラムには、黄金の国「ワクワク」の言い伝えがありますが、これが昔の日本をさす「倭国(わこく)」であるという説が。
それを聞いたマルコが東方見聞録にも反映させた、という見方があります。
中国人、イスラム人から聞いた日本の話が膨らみ、黄金の国ジパングが出来上がっていったのかもしれません。
レファレンス事例集(参照2020.4.29)
日本は「日出ずる処」など世界のさまざまな国名の由来が一目でわかる世界地図 – GIGAZINE(参照2020.4.29)
ジパングの著者・刊行日 Weblio辞書(参照2020.4.29)
日本はなぜ「JAPAN」と呼ばれるようになったのか?(参照2020.4.29)
「黄金の国ジパング」日本の金鉱山の歴史を辿る | リファスタ(旧:リファウンデーション)(参照2020.4.29)
NIPPONIA(参照2020.4.29)
意外と知らない「日本」の豆知識!名前の由来や呼び方について
自国の名称といえど、その由来や歴史について詳しく知る機会は多くないはず。
今一度、「日本」という名前についての知識を深めておきましょう。
日本はいつから日本?
「日本」と呼び始めた理由や経緯、時期を明記した国内資料は見つかっていないようです。
古くから交流のあった中国では、「倭」と呼ばれていました。
「日本」という言葉が出てくるのは、中国の唐時代の歴史を綴った「旧唐書」や「新唐書」から。
唐の王朝が続いたのは、西暦618年〜907年頃にかけてです。
このあたりから、国内外で日本という呼称が広まったと推測されます。
・ 日本は倭という名前を嫌っていた?
旧唐書や新唐書によると、「倭」という名前を嫌っていた記述があり、それが日本に名称を変えた理由の1つとされています。
「小さい」など、マイナスの意味を持つことが疎まれた要因です。
聖徳太子も、倭呼びを嫌った人物。
隋に手紙を送る際、倭ではない別の言葉で日本のことを表現し、それが「日本」の由来になりました。
日本の由来は「日出処」?
聖徳太子が隋に送った手紙の中に出てくる「日出処の天子」。
日本の天皇をあらわす言葉として使ったものと考えられています。
“日出処”と表現したのは、隋から見ると日本の方角から太陽が昇ってくるため、日が出てくる場所=当時の日本という意味で用いたよう。
この言葉が後になって「日が出てくるところ→日の本→日本」と変化し、国の名称として広まった説が有力です。
「にほん」「にっぽん」どっちが正しい?
日本という言葉は、「にほん」「にっぽん」どちらにも読めます。
公式にどちらが正しいという決まりはありません。
1934年、当時の文部省臨時国語調査会が「にっぽん」に統一することを決議しましたが、政府による正式決定には至っていない状態です。
・「にほん」と「にっぽん」の使い分け色々
スポーツの応援では「ニッポン」の掛け声で合わせたり、「火の鳥ニッポン」という代表の愛称がありますね。
英字で“NIPPON”とあらわすことはあっても、“NIHON”と表記することは少ないのではないでしょうか。
一方で、話し言葉で使うときは「にほん」呼びすることが多いという調査結果も。
「日本語」なら「にほんご」、「日本人」は「にほんじん」など、確かに「にほん」と読むと馴染む単語は多々あります。
場面によって様々な使い分けができるのも、「日本」の興味深いところですね。
日本の国はいつどうやってできたの | 身近なふしぎ | 科学なぜなぜ110番 | 科学 | 学研キッズネット(参照2020.4.29)
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東方見聞録の「ジパング」が「ジャパン」に。ジパング=日本かは不明
日本を英語でジャパンと呼ぶのは、マルコ=ポーロが東方見聞録の中で「ジパング」と表記したのが由来。
東方見聞録のジパングと今の日本が完全に同じ国であるかには、いくつかの疑問もあります。
とはいえ由来や歴史、豆知識に触れたことで、「日本」がより身近に感じられたのではないでしょうか。
出典
片山幹生「マルコ・ポーロ『世界の記述』における「ジパング」」(参照2020.4.29)PDF
日本が「黄金の国ジパング」と呼ばれていたわけ | なんぼや(参照2020.4.29)
書籍:新紀元社,シブヤユウジ「幻想由来辞典」(参照2020.4.29)